ひとり恋 ~マイセルフパラダイス~ (ロングバージョン)
足の局部麻酔が切れて、夜も眠れないほどの激痛に見舞われることになったんだ。
ナースコールを押すとすぐに美人でやさしそうな看護師さんが来てくれて、身動きのとれないあたしの代わりに肛門――つまりおしりの穴に痛み止めの座薬を入れてくれた。
おかげで痛みはスッカリなくなった……。
でも死にたいくらいに恥ずかしかった。
たとえ相手が女のヒトでも、おしりの穴を見られるくらいなら、死んだほうがマシだって、あたしは本気でそう思った。
地獄……。
この世の地獄がココにある……。
だけど、そんなことはこれからはじまる地獄のフルコースのほんの序章(プロローグ)にすぎなかった。
クチから入れた食べ物は、やがて排泄物となって下から出ていく。
それは生物にとって、ごく当たり前のことだったんだけど、寝たきりの今のあたしにはトイレに行くことさえできやしない。
だから生物としてごく当たり前の生理的現象をもよおす度に、あたしは看護師さんを呼ぶしかなかった。まるで介護をされているおじいちゃんのように……。