ひとり恋 ~マイセルフパラダイス~ (ロングバージョン)
「いいえ、あたしのほうこそ、すいません」

「そんな……」

「本当にすいませんでした!」


きっと家では娘さん思いのやさしいお父さんなんだと思う。

そーいうヒトにこれ以上、あたしのせいでツライ思いをさせるのは本当に申し訳ないキモチでいっぱいで、本来、加害者の家族であるはずのこのオジさんだけど、あたしには怒りも憎しみもまったくなかった。


それから、しばらくしてオジさんは病室を出て行ったけど……。


結局、オジさんは病室にいるあいだじゅう、あたしと母に向かって頭を下げっぱなしで、逆にコッチがツラかったくらい。

ホント、ツライ。

死ななかったことがツライし、生きてるのもツライ。

死にたい……っつーか、あのとき死んでればよかった。

もしかしたら、あのときフラれて、あたし、無意識的に自殺しようとして、それで信号無視して道路に飛び出したのかも……。

なんで、あたし、まだ生きてんだろ……。

ホント、あのまま死んでればよかった……。


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