ひとり恋 ~マイセルフパラダイス~ (ロングバージョン)
な、な、ぬわんと、あたしたちが向かう山中のポイントのところに、先発していた北条くんたちのチームの姿が見えたんだ~っ♪♪
まもなく、近づいてくるあたしに気づいて「よっ」と小さく手を挙げて北条くん。
思わず、あたしも小さく手を挙げてソレに応える。
ホントは、もしまわりに他のヒトたちがいなかったら、頭の上で大きく左右に手を振って「北条くぅ~ん♪」なんて叫びたいくらいのキモチだった。
「アレ? お前らのチームは南野がリーダーだっけ?」
「ううん、ちがう、ちがう。ホントは久保さんがリーダーだよ」
ココ(少年自然の家)にきてからはじめて交わす北条くんとの会話だった。
まだたった1日ぶりの会話だというのに、まるで1年ぶりで話をしたような懐かしい感覚に見舞われてしまう。
「そっか。まぁでも、南野がいれば、オリエンテーリングなんて楽勝だろ? 俺らのチームのリーダーさぁ、ホントおバカで使えねぇんだよ。できりゃあ入れ替えてもらってよぅ、南野に俺らのチームに入ってもらいてぇくらいだよ」