ひとり恋 ~マイセルフパラダイス~ (ロングバージョン)
“えっ、あたしにチームに入ってもらいたい、って!?”
彼があたしを必要としているのは、あくまであたしの頭脳をアテにしているだけのことだというのはモチロン分かる。
けど、それでも嬉しかった。
“できることなら、あたしだってキミのチームに入りたいよぅ!”
ホントは声に出して、そう言いたいくらいだった。
だけど、そんなこと言えるわけない。
恥ずかしくって言えるわけがない。
結局、その後ふたこと、みこと言葉を交わしただけで、北条くんたちのチームとは別れ別れになることに。
そして山道の向こうにだんだんと小さくなっていく彼の背中を目で負いながら……、
“手の中にあるコンパスの赤いN極の針は、北の方角を探してクルクルと回るけど、あたしの胸の中のコンパスは、たとえキミがどこに行っても、いつだって北条くんのほうだけをまっすぐ向いているからね♪”
……って、そうココロの声でつぶやいて、目を細めるあたしだった―――――