ひとり恋 ~マイセルフパラダイス~ (ロングバージョン)
嬉しかった。
本当に嬉しかった。
目の前にいるのに、みんなにとってはアウト・オブ・眼中でしかないあたしのことを、北条くんだけが見てくれていた。
そのことが嬉しくて、飛び上がりそうなほどめっちゃ嬉しかった。
ホントはね、“飛び上がりそうなほど嬉しい”だなんてありふれた言葉では、今のキモチは到底表現できるものじゃなかったけど、あんまり嬉しすぎて逆に頭の中が真っ白になっちゃって、どうしても他の言葉が見つかんなかったんだ。
けどね、嬉しいんだけど、ちょっと困るかも。
だって、あたし、おもしろおかしいリアクションなんてとれないよ。
どうしよう、
どうしようっ、
どうしようッ!
……なんて、あたしが悩んでるうちに、うすら笑いで逃げはじめる北条くん。
どうしようかなんて考えてる場合じゃない。
とにかくここは彼のあとを追わなくちゃ。