ひとり恋 ~マイセルフパラダイス~ (ロングバージョン)
まるで水泳のクロールをするような勢いで、彼の肩へと右手を振り下ろしたあたし。
「え……」
触ったはずなのに彼の肩の感触がない。
つまり触ってなかったってことだ。
あたしにタッチされる寸前のところで、彼はあたしの振り下ろした右手をかわしていたんだ。
そして“あっかんべー”をすると、さっきまであたしが座っていた場所に、さっさと座ってしまう彼。
“もしかして!? もしかしてコケたのは演技?! だとしたら、あたしはまんまとしてやられた、ってコト?! 悔しーいっ!!!”
あたし、北条くんに遊ばれたんだ。
ある意味、オモチャにされたんだ。
いや、“遊ばれた”ってゆーか、あたしと“遊んでくれた”のかな?
キミと遊べたのは嬉しいけど……、
でも、なんかヤッパ悔しいかもっ。