ひとり恋 ~マイセルフパラダイス~ (ロングバージョン)
1歩。

0歩。

通過―――――



結局……、


結局、あとちょっとのところで、彼のハートにアプローチする勇気がなかったあたしは、彼の後ろを素通りしてしまった。

もし彼にハンカチを落とされたあたしが、今度は彼の後ろにハンカチを落としたりしたら、たぶん、きっと、まちがいなくクラスのみんなにヘンな目で見られると思ったからだ。


“もし、あのとき、彼の後ろにハンカチを落としてたら、運命の流れが変わってたかも”


少し大袈裟すぎるかもしれないけど、あたし的にはそれくらいの大きな運命の分かれ目だったような気がする。

たぶんきっとあとになって、あたしがオトナになってからも……、

“あのとき、あぁしとけば……”

……なんて後悔するんだろうなと思う。


“もしかして、あたし、一生を左右するような大事な運命の分かれ目で、やっちゃいけないことをやってしまったのかも……”
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