ひとり恋 ~マイセルフパラダイス~ (ロングバージョン)
そんなの誰が見たって卑怯だと思うし、サーッと波が引いていくように、みんなの冷たい視線を受けるのもイヤだと思ったからだ。
結局、あたしは当たり障りのないところで、先生の後ろにハンカチを落とし、そして先生と鬼を交替した。
みんなの輪に加わって、ヒザを抱えて体育座りすると、その後、あたしの後ろにハンカチを落とすヒトは誰もいなかった。
だから、その間あたしはぼぅ~っとしながら考えていた……、
“北条くん、なんで、あのとき、ほかのヒトじゃなくて、よりにもよってあたしなんかの後ろにハンカチを落としたんだろ?”
……って。
たとえ何時間考えたところで、答えなんて出ないのは分かってたけど、それでもどうしても考えてしまうあたしだった。
そんなこんなで、めまぐるしく過ぎ去った少年自然の家の2泊3日だけど、なんだかんだ言いながら、終わってみれば、一生忘れられない思い出になったと思う―――――
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