ひとり恋 ~マイセルフパラダイス~ (ロングバージョン)
だけど、たとえ試合には出られなくても、あのとき彼も、あの場所で、ほかの選手たちといっしょにシッカリ戦ってたんだ。

だって試合で戦っていたのはレギュラーの選手たちだけじゃなかったから。

応援していた他の部員たちもまた、彼らといっしょに戦っていたはずから。

でなきゃ、北条くんの声がこんなに痛々しくなるまで嗄れるはずがない。


“よくがんばったね、お疲れサマ♪”


ホントは声に出してそう言って、ほめてあげたいくらいのキモチだった。


これだけ一生懸命に応援してたんだし、来年の中体連のときは、きっとキミも試合に出られると思うよ。

そのときはあたしも応援するから。

いっしょに試合に出ることはできないけど、応援というカタチで、声を嗄らして、汗かいて、キミといっしょに戦うよ。


“レギュラー入りはたいへんだろうと思うけど、これからもかんばってね♪ キミならできる♪ あたし、分かるよ♪”


こんなこと照れ臭くてクチに出しては言えないから、だからココロの声でそっとこれからもキミにエールを送り続けるよ―――――
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