ひとり恋 ~マイセルフパラダイス~ (ロングバージョン)
5時限目「アリ&キリギリス」
北条くんがノドを嗄らして、先輩バスケ部員の応援をしてから1年が過ぎた――
2年生になった彼は見事レギュラー入りを果たし、中体連でも大活躍だった。
今回は応援には回らずに、試合に出ていたから、今年はガラガラ声にはなっていないと思うんだけど、実際のところは分からない。
なんで、彼の声がガラガラかどうか分からないのかというと、2年生に進学したあたしは、彼とは別のクラスになっていたからだ。
全校集会のときとか、たまに廊下でチラッと姿を見かけることはあるんだけど、2年になってからというもの、彼とはただのひとことだって言葉を交わしていなかった。
何度か目が合ったことはあった。
「よっ」
……って、ただそんな短い言葉だけでも、彼のほうからかけてくれるんじゃないか、って期待したこともあったんだけど、実際、彼の声があたしの耳の鼓膜を振るわせることは一度もなかった。
それなら、いつまでも待ってないで、あたしのほうから声をかければいいだけのこと。
簡単じゃん♪
至極カンタンなことじゃんか♪♪
2年生になった彼は見事レギュラー入りを果たし、中体連でも大活躍だった。
今回は応援には回らずに、試合に出ていたから、今年はガラガラ声にはなっていないと思うんだけど、実際のところは分からない。
なんで、彼の声がガラガラかどうか分からないのかというと、2年生に進学したあたしは、彼とは別のクラスになっていたからだ。
全校集会のときとか、たまに廊下でチラッと姿を見かけることはあるんだけど、2年になってからというもの、彼とはただのひとことだって言葉を交わしていなかった。
何度か目が合ったことはあった。
「よっ」
……って、ただそんな短い言葉だけでも、彼のほうからかけてくれるんじゃないか、って期待したこともあったんだけど、実際、彼の声があたしの耳の鼓膜を振るわせることは一度もなかった。
それなら、いつまでも待ってないで、あたしのほうから声をかければいいだけのこと。
簡単じゃん♪
至極カンタンなことじゃんか♪♪