ひとり恋 ~マイセルフパラダイス~ (ロングバージョン)

参考書コーナーを物色しているうちに、ちょうどよさそうなのを見つけて立ち読み開始。

でもコレはあくまで購入予定があってのうえでの立ち読みだから、そこいらのコンビニでいい歳したオトナが買う気もないのに週刊少年誌を立ち読みしてるのとは全然ちがう。


……と、突然背筋にゾクッとするものを感じ、反射的に後ろを振り返るあたし。

そこには顔じゅうをアブラギッシュにテカテカさせた一見まじめそうなスーツ姿のサラリーマン風・中年男の姿があった。歳の頃なら50歳前後といった感じかな?


会社のお昼休みにはまだ時間が早いと思う。

こんな時間に仕事もしないで本屋さんなんかにいてもいいのかな?

もしかして外回りの営業のヒトとか?

でも、なんで参考書コーナーなんかに……?


「す、すまない。別に驚かすつもりはなかったんだが」

「………」

「私には中学生の娘がいてね、それでどの参考書を買ってあげたらいいか迷ってたんだ」

問わず語りの中年サラリーマン。

「………」
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