ひとり恋 ~マイセルフパラダイス~ (ロングバージョン)
そして……、
「コイツをケーサツに突き出すには、あなたの証言が必要なのよ」
……なんて言ったのかが。
あの中年サラリーマンは娘さんのために参考書を探してるフリしてあたしに近づいて、スカートの中を盗撮してたんだ。
外はミンミンとセミがせわしなく鳴く夏だというのに、さっきあのオトコがあたしの背後に立った瞬間に感じたときの10倍以上の気持ち悪さで、あたし背筋がゾクゾクと凍りつくような恐怖を感じてしまった。
「コレ、あなたの画像にまちがいない?」
あたしの心情を察してか、気遣うような、すごくやさしい口調で女の店員さんが言ってくれる。
黙って小さくうなづくあたし。
「ありがとう。ごめんね、ショックだったよね? あのヒトのケータイには他にも何人かの女のコの下半身の動画画像が写ってるんだけど、でもスカートの中の画像だけじゃ、誰が盗撮されたのか分からなくて……。でも、あなたのおかげで被害者の特定ができた。これでケーサツに突き出せるわ」
“あのヒト、余罪があったんだ……”