ひとり恋 ～マイセルフパラダイス～ （ロングバージョン）

「いやぁ、大学内でも人一倍真面目でカタブツな教授ってことで通っていましたから、まさか信じられない、って感じですね」

……と言っていた。


盗撮や痴漢事件、それに援助交際のことなんかが新聞紙面やテレビのニュースを騒がせる度に、その容疑者は学校の先生だったり警察官や自衛官みたく、本来そうした犯罪とは真逆の立場にいなければならないヒトたちの行為であることがほとんどだ。

普段おカタイ仕事をしているぶん、フツーのヒトたちよりストレスが溜まって、女性に対する犯罪行為を起こしてしまうというのは理解できないわけじゃない。

けど、その興味の対象が未成年……特に女子中・高生に向けられるというのは、あたしのスカートの中を盗撮した大学教授同様、学生時代は真面目で同年代の女のコと交際できなかったというトラウマのせいなのかもしれないと思う。


『アリとキリギリス』の童話では、ヒトが遊んでるときに脇目もふらず、真面目に将来のためにがんばっているアリを利口だといい、逆に将来のことなんてまるで考えないで、その日暮らしのおもしろおかしい生活をおくっているキリギリスを愚か者だといさめているけど、本当の愚か者はどっちなんだろ？


コドモのときにコドモらしくちゃんと遊んだり、フツーに恋をしていないニンゲンが、オトナになったとして、まともなオトナになれるのかな？