ひとり恋 ~マイセルフパラダイス~ (ロングバージョン)
だけど、もし事前に彼と逢うことが分かってて、ちゃんとココロの準備ができてたとしても、たぶん何も言えなかったと思う。
教室全体を見回すと知ってる顔は何人かいたけど、あたしの席のまわりにいるのは見ず知らずの他校のコばっかだから、今なら誰に気がねすることなく、いくらでもおしゃべりできるはずなのに。
それなのに、こんな千載一遇のチャンスを利用しないで、ただ時間のムダ使いをしていることを、本当にもったいないことしてるな、って腹立たしく思う。
「………」
それなのに、また何も言えないあたしのままで、い続けることになってしまう現実。
そんなあたしの横で、教室の大きなホワイトボードの斜め上にあるシンプルきわまりないデザインの壁掛け時計に目を向ける彼。
「あ~ァ、今頃、みんな、学校でバスケの練習やってんだろーなァ……俺も夏期講習なんかより部活のほうに行きてぇよ……」
“あ、そーだ……”
「バスケといえば、北条くん、こないだの中体連では大活躍だったね」
そうやく会話のネタが思いついた。
教室全体を見回すと知ってる顔は何人かいたけど、あたしの席のまわりにいるのは見ず知らずの他校のコばっかだから、今なら誰に気がねすることなく、いくらでもおしゃべりできるはずなのに。
それなのに、こんな千載一遇のチャンスを利用しないで、ただ時間のムダ使いをしていることを、本当にもったいないことしてるな、って腹立たしく思う。
「………」
それなのに、また何も言えないあたしのままで、い続けることになってしまう現実。
そんなあたしの横で、教室の大きなホワイトボードの斜め上にあるシンプルきわまりないデザインの壁掛け時計に目を向ける彼。
「あ~ァ、今頃、みんな、学校でバスケの練習やってんだろーなァ……俺も夏期講習なんかより部活のほうに行きてぇよ……」
“あ、そーだ……”
「バスケといえば、北条くん、こないだの中体連では大活躍だったね」
そうやく会話のネタが思いついた。