ひとり恋 ~マイセルフパラダイス~ (ロングバージョン)
7時限目「打ち上げ花火のような…」
思わぬサプライズゲストの登場ではじまった夏期講習1日目も、昼休憩の時間に入った。
休憩の時間になるやいなや、さっさと教室を飛び出してしまった北条くんを見て、あたしは“トイレにでも行ったんだろう”くらいにしか思ってなかったんだけど、戻ってきた彼はコンビニ袋を手にしていた。
中にはペットボトルの緑茶と2つのおにぎり……ひとつは“S-チキン”、もうひとつは“おかか”のおにぎりが入っているだけで、それらもアッという間に全部、彼の胃袋の中に入ってしまった。
「ごっそーさん」
「北条くん、ひょっとしてそれでお昼ごはん終わり?」
「そーだよ。ウチのかーちゃん、弁当つくってくんねぇんだ。代わりに500円玉1コよこして“これで昼メシ食いな”だってさ」
「ふぅん、そーなんだ」
そう言って、おハシでからあげをクチに運ぶあたし。
「お前ンちは、ちゃんとかーちゃんが弁当を作ってくれてるみてぇだな。美味そうな弁当でうらやましいよ。俺、南野ンちの子供になりてぇなぁ」
“うー……そんな物欲しそうな顔してられてんじゃ、お弁当が食べらんないよぅ”
休憩の時間になるやいなや、さっさと教室を飛び出してしまった北条くんを見て、あたしは“トイレにでも行ったんだろう”くらいにしか思ってなかったんだけど、戻ってきた彼はコンビニ袋を手にしていた。
中にはペットボトルの緑茶と2つのおにぎり……ひとつは“S-チキン”、もうひとつは“おかか”のおにぎりが入っているだけで、それらもアッという間に全部、彼の胃袋の中に入ってしまった。
「ごっそーさん」
「北条くん、ひょっとしてそれでお昼ごはん終わり?」
「そーだよ。ウチのかーちゃん、弁当つくってくんねぇんだ。代わりに500円玉1コよこして“これで昼メシ食いな”だってさ」
「ふぅん、そーなんだ」
そう言って、おハシでからあげをクチに運ぶあたし。
「お前ンちは、ちゃんとかーちゃんが弁当を作ってくれてるみてぇだな。美味そうな弁当でうらやましいよ。俺、南野ンちの子供になりてぇなぁ」
“うー……そんな物欲しそうな顔してられてんじゃ、お弁当が食べらんないよぅ”