ひとり恋 ～マイセルフパラダイス～ （ロングバージョン）

中学に入学したとき、最初に隣の席になった男子が北条くんだった。

別の小学校に通っていた彼は、あたしの過去――つまり、あたしが友達のいないガリ勉メガネザルだってことを知らなかったから、あっけらかんと接してくれた。

他のクラスのみんなと接するように、フツーにあたしにも接してくれたんだ。

「おはよう」

……って朝は言ってくれたし、

「バイバイ」

……って帰るときは言ってくれた。


きっと傍目には、席が隣のヒト同士がフツーにあいさつしてるだけにしか見えないんだろうけど、あたしにはその当たり前のことが嬉しくて、とても嬉しくて……。


そのときから、学校は地獄じゃなくなった。

……ってゆーか天国♪　パラダイス♪♪



あたしは彼の隣の席になれた幸せに浸りながら、ココロの中でカミングアウトした……、

“I like you”

……って――――――