ひとり恋 ~マイセルフパラダイス~ (ロングバージョン)

「………」


例えるなら、このときのあたしは“ヘビにニラまれたカエル”状態だった。


「まっ、お前から勉強を取ったら何も残らねぇ、っつーか、勉強すること以外、なんの取柄もねぇんだから、勉強するなとは言わねぇが、勉強すんなら他の塾に行ってもらえねぇかなァ、っつーか来んな」

あたしを見下したような言動は、小学生の頃と変わらない。

「お前みてぇに、地味で、暗くて、ウゼぇヤツがいると、まわりのみんながシラケる、っつーか、空気が悪くなんだよ」

そして今の言葉も、小学生の頃言ったのと全然変わっていない。

「メガネかけたヤツにKY(=空気が読めないヤツ)が多いっていうのはホントだな。目が悪りぃから、相手の表情のビミョ~な変化とか、ちょっとした仕草なんかにまで気がつかねぇんだ」

コレも小学生の頃言ってたのとまったく同じだ。

「目ン玉ひんむいて、オレの顔をよぉ~く見てみろよ、書いてんだろ? “南野千賀子の全存在がウザイんです”って、オレの顔に書いてんだろーが」


「………」
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