ひとり恋 ～マイセルフパラダイス～ （ロングバージョン）

“何時までにコレを終わらせなさい”みたいにきちんと決められてるほうがいいんだ。

学校の勉強でもそうなんだけど、解釈しだいでいくつも答えがある文系の科目より、答えが１コだけしか存在しない数学のほうがハッキリしてるしラクだから、あたしは好き。

つまり、あたしはアドリブのきかないニンゲンだってことだ。

アドリブがきかないから、なにやっても自由っていうのはホント困る。


それにもうひとつイヤなことがある。

それはこーいう施設では部屋割りはモチロン、食堂で食事をするときだって、男子は男子、女子は女子とキッチリ性別ごとに分けて扱われることになる。

だから日頃、学校での授業のときなら隣同士でいられる北条くんと、今日は全然いっしょにいることができない。

それが大いに不満だったんだ。

実際、今日はまだひとことだって話していないし……。



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入所式を終えて、おのおの割り当てられた部屋へと移動する。