ひとり恋 ~マイセルフパラダイス~ (ロングバージョン)
“みんな、このメガネが悪いんだ……”
これまでもう何百回メガネをやめようと思ったか分からない。
そして、そう思う度にコンタクトにしようと本気で思った。
“あたしにカレシができないのは、全部このメガネのせいだ! この忌々しい物体をあたしの顔から取り除くことさえできれば、あたしにだって! あたしにだって!”
「母さん、もう、あたし、ガマンの限界っ」
あたしは台所でごはんの準備をしている母に向かって言った。
「もうちょっとガマンしなさい。いま、お味噌汁あたため直してるところだから」
「……じゃなくてっ」
あたしはメガネのせいでみんなにからかわれていることを30分にわたって母に切々と話して聞かせた。
そして、そこからさらに30分かけて、渋々ながらもようやく母にコンタクトにすることを了承させた。
“グッバイ・メガネ♪ ハロー・カレシ♪”