ひとり恋 ~マイセルフパラダイス~ (ロングバージョン)

“コッチかな……? いや、コッチかも……”


「……?!」

視線を感じて目を上げると石倉くんが……

“なんでもいーから早く引いてくれよ~”

……っていうような顔であたしを見ていた。


“分かったよっ。引きゃあいーんでしょ! 引きゃあ!”

あたしはさんざん迷ったあげく、箱の中から1枚のくじを引き抜いた。

“どーか、今度もまた北条くんの隣の席になれますように……”

祈るようなキモチで、4つ折りにされたくじ引きの紙を開いて見ると、そこには“16”という数字が書かれていた。

あたしは黒板に書かれた席の並び位置を確認すると、16番の席に着席して、隣の席に座る男子の到着を静かに待つことにした。


ドクン、ドクン、ドクン……


“もしも北条くんの隣じゃなきゃ、あたしは地獄に落ちたも同じ……。だから、どーか! どーか神さま、このままあたしを天国にいさせてください! お願いします!”



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