セックスフレンド
「メール読んでないの?」

「読んだよ。でもオレの考えは変わらないよ」

「でもどこで寝るの?」

「テーブルどかせばスペース出来るだろ?」

「…布団は?」

「あるよ」

貴広はそう言って。

外へ出て行って、すぐに戻って来た。

しかも毛布を抱えて。


「貴広それ…」

「この時期、車に乗せてるんだよ。飲み会の帰り、車の中で寝ることがあるから」

「へぇ」

「まさか、こんな所で役に立つとはな」

貴広は笑った。

「でも毛布だけじゃ寒くない?」

「大丈夫だよ」

「……」

あたしは何も言えなくなってしまった。
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