セックスフレンド
9【行き場のない想い】
──翌日。土曜日。
あたしが目を覚ますと、貴広は先に起きていた。
いつ帰ってきたの?
「おはよう」
体を起こす気配に気づいたのか、テレビを観ていた貴広がこっちを振り向いた。
「…おはよう」
「気分は?」
「体もスッキリしてるし、熱も下がったぽっい」
自分の額に手を当てて言った。
「そうか良かったな」
「うん」
会話が途切れる。
昨日のことを思い出すと、ドキドキが止まらなくなる。
貴広は何とも思わないのかな?
「あのさ、マナ」
「な…何?」
「昨日はゴメン……って、謝るのもおかしいかもしれないけど」