セックスフレンド
片付けを済ませた貴広が言った。

「さすがに、これ以上、一緒にいたら本当に押し倒すかもしれない」

「……」

また変なこと言い出した。

「また気分悪くなったら連絡しろよ。すぐ来てやるよ」

「あの…貴広」

「何?」

「今度、お礼させて」

「お礼か……」

「うん。なんだかんだで、貴広がいて助かったから」

「じゃあデートして」

「デート…」

「それが、お礼でいいから」

「……」

「じゃあ、今日と明日はおとなしくしとけよ」

そう言い残して、貴広はさっさと玄関を開けて出て行った。

多分だけど。
貴広は有無言わせないうちに、家を出たんだ。
< 144 / 343 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop