セックスフレンド


〈今はありさを一番に想っている。もう二度とオレの前に現れないで〉

「……っ」

涙がこぼれ落ちてくる。

人通りの少ない道を歩いていたから、泣くのを我慢せずたくさん泣いた。

二度と現れないで――

それは、あたしの顔を見たくないということなんだよね?

こんなメールを送られてきたら、フラれたも同然じゃない。

ありささんという好きな人に出会った瑞希くん。

セフレなんて必要ない。

「忘れなきゃ…」

言い聞かせるようにつぶやいた。


〈サヨナラ〉


これが、最後に送った瑞希くんへのメール。
< 168 / 343 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop