セックスフレンド
「勘弁してよ~」

「1回でも乗るの嫌?」

「うん。ごめん」

「そうか。仕方ないな。オレは嫌がる女をジェットコースターに無理矢理乗せるほど、性格悪くないし」

貴広が笑う。

「あの…観覧車とかだったら大丈夫なんだけど」

「ジェットコースターと観覧車。全然違う気がするけど」

「そっか…そうだよね」

「マナは観覧車に乗りたいのか?」

「うん」

「オレが無理」

そう言って、貴広は歩き出す。

向かった先は、観覧車チケット売り場だった。

チケットを買い、貴広があたしに差し出した。

「乗ってくれるの?」

「いいよ」

貴広、無理とか言ってたくせに。

優しいなぁ。






< 196 / 343 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop