セックスフレンド
これは、新しい恋の始まり。

貴広はいつもあたしの側にいてくれる。

優しくて大人で、あたしにはもったいないくらいの人。

断る理由が見つからない。

瑞希くんをずっと想い続けて生きていくなんて、寂しすぎる。

だったら、新しい恋をしよう。

始めよう。

これでいいんだ。
これで──…

「マナのこと大事にするよ」

キスの後、貴広はそう言ってあたしを抱きしめてくれた。



観覧車から降りると、

賑やかな人の声。
2月中旬の冷たい風。

途端に現実に引き戻される。

観覧車の中で何度もキスしていたことが恥ずかしくなる。
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