セックスフレンド
「……」

「実際、死ぬ勇気なんて持てなかったけど」

「そうだよ。それが普通の心理だよ」

「でも、こんなオレでも少し変われたのは、テツさんのおかげなんだ」

瑞希くんは、コーヒーを一口飲むと話を続けた。


「今の会社に入ったのは、担任に無理矢理勧められて、入社試験受けて合格したからなんだけど」

「うん…」

「オレはすぐに辞めるつもりだった。
気ままにフリーターでいいって思ってたし。でも」

「でも?」

「必要以上にオレに構ってくるんだよ。
会社サボろうとしてたら、迎えにきたりするんだよ」

瑞希くんは、思い出し笑いしている。

その姿を見て少しホッとした。


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