セックスフレンド
16 【突然の知らせ】
結婚式から1ヶ月が経とうとしている。
何事もなかったかのように、時間が過ぎていく。
あたしの中で、瑞希くんへの想いが膨らんでいくのを感じていた。
貴広に抱かれる度に瑞希くんを想像する。
『マナ、愛してるよ』
貴広がベッドの上で愛を囁く度に苦しくなった。
貴広を傷つけたくない──。
そう思いながら、あたしはどこまでも、貴広を傷つけているのだ。
最低女。
クズ女。
今のあたしには、ピッタリな言葉だと思う。
だけど、貴広の笑顔を見れば、裏切りたくないという強い思いが働く。