セックスフレンド
温かい手にホッとする。

少しだけ落ち着きを取り戻した。



ミカちゃんの車に乗り、病院に向かう途中、あたしの携帯が鳴る。

着信は貴広からだった。

「出ないの?」

ミカちゃんに聞かれる。

「……」

あたしは電話を取らなかった。

貴広に今の状況をうまく話せる自信がない。

ましてや、瑞希くんが絡んでいるのなら尚更だ。




病院に着くと、哲也さんが受け付けの前で待っていてくれた。


「哲也さん、瑞希くんは?」

開口一番に聞く。

「今、手術中だよ。ただ命に別状はないって言ってた」

「本当ですか?」

「本当」

「良かった……」
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