セックスフレンド
ミカちゃんと哲也さんが、目で"行っておいで"と語りかけているようだった。


瑞希くんの病室は個室だった。

久しぶりに見る眠っている姿。

「瑞希くん……」

イスに座り、瑞希くんの手を握りしめる。

生きている。瑞希くんは確かに生きている。

温い瑞希くんの手が証明してくれているみたいだった。

「……っ」

あなたがこの世にいる。

その事実がとても嬉しいよ。

瑞希くん…。

あたしもう自分の気持ちに嘘つかない。


あなたが世界で1番好き─────。


大好きなんだよ。

再会した時、あなたの胸に飛び込めば良かったと後悔している。



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