セックスフレンド
『そんなんじゃないから…大丈夫だよ…』

必死にこらえていた涙が溢れ出した。

『マナ?』

『顔洗ってくるね』

それから、あたしはトイレで顔を洗い戻ることにした。

トイレから出ると、瑞希くんが通路で待っていた。

『どうしたの?』

『どうしたの? って、女の子が泣いているのに放っておけないよ』

『……』

瑞希くんの優しい言葉に泣きそうになった。

『マナ、居酒屋にいる時もたまに暗い顔してた』

『えっ?』

『だから、何かあるんだろうなって、話しかけていいか迷ってたんだ』
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