セックスフレンド
『…うん』

あたしは、少しずつ、冷静さが戻ってくると、瑞希くんに申し訳ない気持ちになってきた。

『瑞希くん、ごめんね。見ず知らずの他人なのに迷惑かけて』

『いいって。抜け出そうって誘ったのはオレだもん』

『本当はカラオケしたかったんじゃないの?』

『そんなのいつでも行けるから』

『じゃあ、あたし今度カラオケおごるね』

『今度…。その時はもう泣いたりするなよ』

『…情けないよね。元カレが好きだった曲が流れてきたら、元カレのこと思い出すなんて』

そう言って。
あたしは、また涙が溢れてしまった。
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