セックスフレンド
やがて、上映時間がきて館内が暗くなった。


映画を観ている途中。
ポップコーンを食べようとして、カップの中に手を伸ばした。
その時。
大野さんと手が触れた。

「……」

あたしはパッと手を引っ込めた。

ポップコーンは入っている両が多いから。
1つしか買わなかったんだ。

ほんの一瞬、手が触れただけで、ドキドキしてる……
チラッと大野さんを見たけど。
気にする様子もなく映画を観ている。

そうよ。何も気にすることなんてないんだ。

あたしは、気を取り直して映画に集中することにした。



「面白かったな」

「そうだね」

慣れないタメ口で答える。

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