セックスフレンド
ほんの一瞬だけど。
あたしの口内に貴広の舌が侵入してきた。

「マナはこれくらいしないと、オレを男として見てくれなさそうだから」

あたしは呆然としてしまった。
貴広とキスしちゃった。

「あいつがキスしたこと知ったら、どんな顔するかな?」

貴広が言う、あいつとは瑞希くんのことだ。
朝もあいつ呼ばわりしてたもんね。

あたしは何も答えなかった。

少しの沈黙の後。

「お休みなさい」

あたしは、もう一度言って、車から降りた。

それから、あたしの頭の中はキスされたことでいっぱいだった。
部屋でどれくらい寝そべっていたんだろう?

携帯が鳴っていることに気付いて、携帯の着信を見ると瑞希くんだった。
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