セックスフレンド
6【苦しくて】
月曜日。
あたしは、会社で貴広と目を合わせることができなかった。

キスされたことを意識しているんじゃない。

瑞希くんと早々と会う約束をしてしまったことに対して。

いけないことしてるような気がして……



 
「マナ。オレのこと避けてるだろ?」


そう言って。
貴広に話しかけられたのは、水曜日の仕事帰りだった。

たまたま。
会社を出る時間が一緒になったのだ。

「避けてません」

「嘘だね。避けてるよ」

会社から出て来る人達が、あたしたちに視線を向けていた。
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