セックスフレンド
仕事に私的感情を持ち込むのはよくない。

でも、貴広を見ると苦しくなるの。
罪悪感と似たようなきもちでいっぱいになるの。

「オレのこと、嫌いになった?」

「違う。そんなんじゃ……」

あたしは泣きたくなった。
だけど、ここで泣いたら貴広を困らせてしまう。

「何か全然スッキリしないんだけど」

「……」

「飯でも食いながら話すか?」

「体調悪くて食欲ない」

「そっか。じゃあ送って帰るよ」

体調が悪いなんて嘘。
早く1人になりたかった。


家につくと、すぐに携帯が鳴った。

〈マナに嫌われてなくて良かった。具合悪いなら早く休めよ〉

貴広からのメールだった。
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