365日。





その病院は、学校からもあたしの家からも随分遠いところにあった。



ただただ、ひたすら走った。





お母さん、お母さん……っ



心の中でお母さんを何度も呼びながら。






病院に着くと、玄関近くの椅子に座った女の人があたしに駆け寄る。


「千尋ちゃんよね?待ってたわ!」


この人は、確かお母さんの職場の人だ。



「急ぎましょう!」


あたしの手を引いて、病室へと急ぐ。





お母さん……待ってて

今すぐに行くからね………!




祈る気持ちで、病室のドアを開ける。





「……っ」


あたしは言葉を失った。



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