365日。






「おまたせ!」




起きてからわずか10分ちょっとで支度を終わらせて、玄関を飛び出す。




「遅い」

「ご、ごめん!」



凛人は腕組みをして、玄関の壁にもたれていた。





「…許す」

「っ!ありがとっ!」





そしてあたし達はなんの躊躇いもなく手を重ね、街に出る。


こういう事が普通にできる関係って、いいよね。




しばらく歩いていると、不意に繋ぐ凛人の手が動いた。



「…ん?」

「この方がよくね?」



凛人はそう言うと、指を絡めて手を繋ぎなおした。



「…っ!」





これが、いわゆる"恋人繋ぎ"…。


あたしの顔は真っ赤だよね。




顔に出やすいとか……ほんとやだ。



そして凛人は絶対に………

「千尋、お前顔真っ赤」




意地悪な笑みを浮かべてそう言う凛人。




ほら、やっぱり………






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