365日。
あたしは今度こそ!と思い、席を立つ。
しかし、またもや止められた。
「まだ、俺が終わってない」
「え?」
そしてまたあたしを席に座らせた。
「千尋」
急に真っ直ぐに見つめられて名前を呼ばれびっくりするあたし。
「は、い…」
思わず敬語。
「左手出して」
「?」
なんの事だかさっぱりわからないけど、言われるままに左手をテーブルの上におく。
凛人があたしの左手に手を伸ばす。
なんだか少し、ひんやりとした。
凛人はあたしの指先を握ったままで、優しく笑う。
なんだろうと思いながら、自分の左手を見る。
「…え。これ……」