365日。
「ちょっ、も、もう降ろして!」
さすがに玄関前は無理!
凛人は渋々承諾してくれ、あたしをストンと降ろしてくれる。
「じゃ、またあとでな」
「うん!」
頭をぽんぽん叩いて凛人は微笑み、あたしは凛人と別れた。
「おっはよ千尋!」
「おはよー千尋♪」
「あっ、おはよう!」
教室に入るなり最初に声をかけてくれたのは、愛ちゃんと智花。
いつも通りのあいさつを交わし、席へと着く。
「そーいえばっ!」
鞄を置いたあたしの席に、愛ちゃんがいつも通りに前の席を引っ張って座る。
…そして、いつも以上にニヤついている。
「どーしたの、愛ちゃん?なんかいい事あったの?」
あたしが首を傾げながら尋ねると、愛ちゃんは、うふふ、とさらにニヤニヤしながら笑った。