365日。
「遠野さぁ〜ん。ちょっといいかなぁ?」
「あ…はい」
お昼休みを終え愛ちゃんと話していると、急に後ろから呼ばれる。
あ…
この人たち、前に凛人のお姉さんとの写真見せて嘘ついた人たちだ。
まぁ今回もまた、そんな事だろう。
軽い気持ちであとをついて行く。
愛ちゃんには「ちょっと行ってくるね」と言い、教室を出る。
その人たちについて行って、入ったのは、
あたしと凛人が初めてちゃんと話したあの空き教室。
なんか懐かしいなぁ。
入ってみると、中にも数名の女子の姿が。
「今日はなんですか?」
「随分と生意気な口の聞き方ねぇ〜。まぁいいわ」
そう言った瞬間体を強く押され、その場に倒れた。
あたしはキッと睨み、立ち上がる。
女子たちはそんなあたしを面白そうに見ている。
「遠野さんはぁ、もう十分凛人君と付き合ったでしょぉ?だーかーらー、もう一生凛人君の前に出られないようにして、あ、げ、る♪」
ニタッと笑ったあと、それが合図のように後ろから腕を掴まれた。
「前にあたし達の仲間がぁ、遠野さん殴ろうと思ったらぁ、凛人君が入って来てぇ、できなかったらしいからぁ、今日はやらせてもらうわぁ♪」
いちいち語尾を延ばすのは、なんとも嫌な感じだ。
………なんて思っていると……
ーゴツッ。
頭に強い衝撃が。
低く鈍い音が響いた。