365日。







「遠野さぁ〜ん。ちょっといいかなぁ?」

「あ…はい」



お昼休みを終え愛ちゃんと話していると、急に後ろから呼ばれる。




あ…

この人たち、前に凛人のお姉さんとの写真見せて嘘ついた人たちだ。




まぁ今回もまた、そんな事だろう。


軽い気持ちであとをついて行く。




愛ちゃんには「ちょっと行ってくるね」と言い、教室を出る。





その人たちについて行って、入ったのは、




あたしと凛人が初めてちゃんと話したあの空き教室。


なんか懐かしいなぁ。




入ってみると、中にも数名の女子の姿が。




「今日はなんですか?」

「随分と生意気な口の聞き方ねぇ〜。まぁいいわ」


そう言った瞬間体を強く押され、その場に倒れた。




あたしはキッと睨み、立ち上がる。


女子たちはそんなあたしを面白そうに見ている。




「遠野さんはぁ、もう十分凛人君と付き合ったでしょぉ?だーかーらー、もう一生凛人君の前に出られないようにして、あ、げ、る♪」


ニタッと笑ったあと、それが合図のように後ろから腕を掴まれた。



「前にあたし達の仲間がぁ、遠野さん殴ろうと思ったらぁ、凛人君が入って来てぇ、できなかったらしいからぁ、今日はやらせてもらうわぁ♪」


いちいち語尾を延ばすのは、なんとも嫌な感じだ。



………なんて思っていると……




ーゴツッ。



頭に強い衝撃が。



低く鈍い音が響いた。







< 358 / 395 >

この作品をシェア

pagetop