好きなんてありえない!!


梓の家を飛び出す。

「あー大通りにでるなら右に曲がれば
いいよぉ♪」

「え……」

振り向くと家から梓が
出てきて大声で叫んでいた。

「教えてあげたんだから明日来なさい
よねぇ」

「明日は楽しくなりそ♪」
梓は小声で呟いて家の中に入った。

梓に言われたとおり右に曲がると
大通りに出た。

「……知ってる道だ…」

家への道を歩いているといろいろ
思い出して涙が溢れてきた。

「っ…う、ふ……」

「お前なんか本気じゃねーし」

……裕太。
大好きだった。付き合えてすごく
嬉しくて……。

「…なんでかなぁっ…何か、悪いこと
しちゃったの、か…な」

梓も分かんないよ…。
別れたら用はない……?
…どういう意味なの?
でも、道を教えてくれたし……。

「もう…どうすればいいのか
分かんないっ」

< 100 / 142 >

この作品をシェア

pagetop