好きなんてありえない!!

悲劇


教室を飛び出し屋上へ向かう。

「ふ、うっ……」

声を上げないよう我慢した。

もう嫌…………。

鞄を持ち階段を降りる。

家に帰ろうと思い靴箱へ向かうと

「何で……」

「やほ、由美」

不気味に笑う梓がいた。

「あんたさぁ、絶対帰ると思って
待ち伏せしてたの」

「……」

「クラスのみんなから嫌われちゃったねぇっ♪どーんまい」

笑いながら話し続ける。

「なんかさぁ、泣くの演技だったんだ
けどみーんな信じちゃってぇーあたし
女優なれるかもぉー」

「………」

「ねぇ、何か言ったらぁ!?」

「………」

「ちっ、つまんねぇの。さっさと
帰れよ」

ードンッと背中を押される。

「まぁ明日も来なさいよね」

そう言い立ち去る。



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