好きなんてありえない!!


「だから何?」

先輩はいつもより低い声で答える

「は…最低でしょ!?私の裕太を…
殺したのよっ!!!!」

梓が大声で叫ぶ。

「違う、由美は殺してなんかねぇよ
お前が裕太を苦しめたんだろ?」

「ち、違うわっ!!こいつよ!」

梓の口調が変わった。何だか焦っているような、よく分からない

「お前、裕太を
脅したんじゃねぇの?」

「っ!!!」

「多分、別れないと由美を
酷い目にあわせる…とかじゃね?」

「っ……」

「お前はずっと好きだったのに
簡単に由美にとられて悔しかった…
とか?」

「っ…!」

「は、もろ図星じゃねぇかよ…」

「ち、違うっ!裕太は私の事
好きに違いなかった!!」

「裕太、お前の本性に
気づいてたんじゃね?」

「…え」

「だから、お前が言ってることは
本気だって分かって由美を守るために
別れたんだろ?」


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