好きなんてありえない!!
「ただ、お前は確実に
裕太を苦しめていた。わかってんだろ?」
「そ、それは……っ」
「由美も傷つけた」
「~~~っ」
「あいつへのストレスは
心臓へ負担をかけてた
そのストレスは他にもあるけど
お前も入ってること忘れんな」
「う、ぁ……裕太ぁ…由美……
ごめっ……ごめん、なさいっ」
梓は泣き続けた
「梓………」
由美がそっと近づく
「ぅ、ふ…ごめっ、ごめんっ、なさ、いぃ」
「梓、ごめんね。梓の気持ち
全然気づけなくて
私、知らない間に梓を傷つけてたんだね…」
「ち、ちが、あたしが…あたしが
勝手、に思いっ…込んでて……っ」
「梓は苦しんでた時の
気持ちを教えたかったんだよね?
私ばっかり幸せに見えた…」
「ふ、ぅ…あたし、あた、し…
ずっと由美が、由美が羨ましかった
「……私は梓みたいに明るくなりた
かったんだ。羨ましかったよ」
「え…………」
「私、緊張すると全然しゃべれなくて
中学でも最初、一人だった
でも梓がしゃべりかけてくれたおかげで
たくさん友達できたんだよ?」
「でも、あたし…性格悪くて…
そっ、そのせいで裕太と由美を
傷つけたっ……」
由美は静かに首を横にふると
「梓は、自分を見失ってただけ。
裕太も言ってたでしょ?」
そう言い優しく微笑んだ