好きなんてありえない!!
「…あの」
「んー??何?」
「もう少し離れてくれませんか!?」
先輩との距離はわずか10cm。
遠くから見たら完全に手を繋いでいる
ように見える。
「ダーメだってー♪由美は俺の
彼女って事皆に知らせないと!」
「は!?無理無理!!」
「無理なわけないでしょ」
ーグイッ
手を引っ張られ先輩の指がスルッと
絡まってくる。
うあ……。恋人繋ぎってやつだ…。
すごい、先輩の手、おっきい…。
「由美、顔真っ赤。かーわい」
先輩はクスクスと笑うと
手をギュッと握ってくる。
…嫌なはずなのに
もっと繋いでいたいと思ってしまう。
「学校まであとちょっとだな」
先輩が歩く速度を速める
「え、ちょ、あの…手っ…!」
「絶対離さないから」
そ、そんなぁ……