危険な彼と危ない初恋
私は、早速ボールを持ってきて蹴りだした。
「あ!ずり!!」
「へーんだ!悔しいならとってみろ!」
「そー言われなくても、とってやるよ!」
「へぇ・・・ほんとかなぁ。あんた達私に一回も勝ったことないじゃん!」
「今日こそは、勝つさ!覚えてろよ。よしっ!お前ら美羽を追いかけろー!」
すると、一斉に私を追い掛けてきた。
なんだ!ズルいのはそっちじゃん!!
・・・・・・・・だけど、私はそんなことしたくらいでは捕まらないんだよねぇ。
次々と迫ってくる人をどんどん交わしていった。
「ほら!ボール取るんじゃなかったの??」
「わ・・分かってっけど・・・も・・・無理・・・」
そう言ってから、皆座り込んでしまった。
「えぇー!もう終わり?皆根性ないなぁ・・・」
「美羽がおかしいんだろ!なんでこんなに走っといてケロッとしてんだよ!」
皆が一斉に私のことをギロッと睨んでくる。
恐い恐い。
おーい。これでも私、女の子なんですけどぉ?
なんて、ことは言っても通じるわけなくて・・・・・・・・
「もう、いいや♪やっぱり今回も、私のかちだったねぇ~!!」
自分で“勝ち”と言ってテンションが上がっている私は我ながらまだ、お子ちゃまだなぁ~。