名無しのノート
それにしても、遠いな、トイレよ。

廊下を歩く、歩く、歩く...長ぁぁぁぁい!
とかなんとか考えてる間に、理科室の前に来ていた。

なにやってんだ、私。
自分の考えていることがとても低レベルに感じた。

あれ?窓に立て掛けてあったはずのノートがない。

と思ったら、廊下の真ん中に初めて見たときと同じところに落ちていた。
 
...はいはい、私の立て掛け方が悪かったですね。

手にとってもう一度見てみる。するとさっきまでは無かったであろう記載がされていた。

終わりの会 藤川先生の手帳紛失

なにこれ?さっきまでこんなこと書かれていなかったような。
藤川先生は私達の担任だ。確かに手帳も持ってはいるが。

...なんか気味が悪いな。
もう一度立て掛けておこう。

私は、今度は落ちないよう慎重に理科室の窓に立て掛けた。
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