名無しのノート
わたしは、屋上の階段を上ります。もう倒れたりは…しません!
わたしは、さっきとは、違う気持ちで屋上へ通ずる扉を、開けました。
周りを見渡すと、谷中さんは、手すりに持たれかかっていました。

「や、谷中さん!」
「うわっ!」

谷中さんは、危うく屋上から落ちそうでした。

「び、びっくりした~…も、もう少し小さな声で話しかけてくれる?」
「あ、す、すみませんでした」

谷中さんは、咳払いをしたあと、黙っています。
そうでした、質問があるんでした。

「…あ、あの、片瀬瑠璃香さんという方を知っておられますか?」

一瞬、谷中さんの顔に、暗い表情が見えました。

一体、どんな関係だったんでしょうか?
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