名無しのノート
「…瑠璃香のことで、何か?」
「いえ、瑠璃香さんはどういったお人でしたか?」

しばらく、訝し気な顔をして、考えていました。が、やがて答えてくれました。

「…瑠璃香は、僕が最初に自殺を止めた人だよ」
「…えっ」

いきなり、核心に触れられました。
あの、ノートは、本当に、真実になるかも知れません。


「…まあ、瑠璃香は転校したから、僕はもう、瑠璃香に会うことはないだろうけどね」
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